ANA国際線 減額マイルキャンペーン|燃油込み総額を有償と比較
マイルが半額になるのに、手出しは1円も減りません。
ANAが国際線の特典航空券を対象に、必要マイルを半額にするキャンペーンを始めました。エコノミー限定・ウェブ限定で、予約と発券ができるのは2026年7月23日(木)0:00から7月29日(水)23:59まで。1週間だけの勝負です。
成田⇔ホノルルが片道8,750マイル、羽田⇔パリが11,250マイル、羽田⇔香港が4,250マイル。数字だけ見ると強烈です。
ただ、私がこの手のキャンペーンで最初に見るのは、マイルの減り方じゃなくて財布の減り方のほう。今の燃油サーチャージは欧州往復で13万円です。マイルが半分になっても、この13万円は1円も変わりません。
なので、路線別の減額マイルを全部並べたうえで、成田⇔ホノルルの同じ便を特典と有償の両方で予約画面まで進めて、総額を突き合わせました。片道と往復の両方、しかもキャンペーン開始の前後で。
これが効きました。**片道で計算すると1マイル16.6円、往復だと3.6円。**同じ便、同じ日程、同じ日に調べた画面で、5倍以上ひらきます。片道だけ見て「今回のキャンペーンはすごい」と判断すると、確実に読み間違えます。
数値はANA公式サイトと実際の予約画面で確認しました(確認日: 2026年7月21日、およびキャンペーン開始後の7月23日)。※対象路線・便は予告なく変更される場合があります。運賃・諸税・空席は時々刻々変わります。予約前に必ず公式サイトとご自身の予約画面をご確認ください。
この記事のポイント
- 予約・発券は2026年7月23日(木)0:00〜7月29日(水)23:59。期間内に発券まで終わっていないと適用されない
- 対象はエコノミークラスのみ・ウェブとアプリ限定。電話予約もコードシェアの他社運航便も対象外
- 減額後の片道マイルは香港・中国 4,250〜/東南アジア 7,500〜/ハワイ 8,750〜/欧州 11,250〜
- 燃油サーチャージと税は特典航空券でも自腹。欧州は往復130,000円、ハワイは往復80,800円
- 同じ便(成田→ホノルル片道)を両方で見たら、税金・料金等はどちらも54,130円で完全に一致。差は運賃145,000円だけだった
- そのため1マイルの価値=運賃部分 ÷ 必要マイル数。片道なら約8.3円、キャンペーン適用で約16.6円
- ただし往復で取り直すと約3.6円まで落ちます。ANAは片道運賃が割高で、有償の往復(163,570円)が片道(199,130円)より安いから
- 開始後に取り直したら往復が確かに17,500マイルに。ただし手出しは100,040円で変わらず(税金・料金等は10円上がった)
- 必要マイルは片道の単純2倍(35,000)で、有償のような往復割引がない。片道だけ見て判断すると読み間違えます
- 金額だけでは決まらない。Lightは払い戻し不可(行けなくなったら163,570円が消える)。特典は1名3,000円で全額戻る
- ただしキャンペーン券の変更は7月29日が崖。7/30以降の変更は通常マイルとの差額(ハワイ往復なら17,500マイル追加)
- 対象搭乗期間から年末年始が丸ごと外れている。現金が高い時期が使えないので、マイルの価値が出にくい側に寄る
- 予約画面の**「特典種別選択」で「ANA特典キャンペーン」を選び忘れる**と、対象路線でも通常マイルのまま
- ムンバイは東南アジアと同じマイル数なのに、燃油だけ片道7,000円弱高い
キャンペーンの中身
まず条件から。ここを外すと減額が乗りません。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 予約・発券期間 | 2026年7月23日(木)0:00(日本時間)〜7月29日(水)23:59 |
| 対象クラス | エコノミークラスのみ |
| 予約方法 | ANAウェブサイト/ANAアプリ/ANAマイレージクラブアプリ |
| 対象便 | ANA運航の対象路線・対象便のみ |
| 減額率 | 通常必要マイルの半額 |
期間の締め方が厳しめです。期間内に予約を作っても、発券が7月30日にずれ込んだら適用されません。空席待ちで期間外に席が用意された場合も対象外で、そのときは通常マイルでの発券になります。
キャンペーン開始前に通常マイルで発券済みの特典航空券を、あとから減額分に振り替えることもできません。どうしても切り替えたいなら、いったん払い戻して取り直す形になります。取消手数料は1名につき3,000マイルまたは3,000円。家族4人なら12,000マイルが飛ぶ計算です。
路線別・減額後の必要マイル(片道)
ここが本体です。同じ路線でも搭乗日でマイルが変わるので、期間ごとに分けて書きます。すべて片道・エコノミー。往復は往路と復路それぞれの搭乗日に対応する額の合計です。
ハワイ(成田⇔ホノルル)
対象便はNH181/182/183/184。羽田⇔ホノルル(NH185/186)は対象外です。
| シーズン | 搭乗期間 | 通常 | キャンペーン |
|---|---|---|---|
| レギュラー | 2026年8月24日〜12月18日 | 20,000 | 10,000 |
| ロー | 2027年1月13日〜1月31日 | 17,500 | 8,750 |
ハワイだけハイシーズンの設定がなく、2段階です。
対象外の搭乗期間(日本発)は、9月16日〜22日、12月9日〜12日、12月19日〜2027年1月12日。海外発は9月20日〜26日、12月14日〜16日、12月19日〜2027年1月12日です。年末年始とシルバーウィークは丸ごと落ちています。
欧州
対象路線は羽田⇔ロンドン/パリ/フランクフルト/ミュンヘン/ウィーン/ミラノ/イスタンブール/ストックホルム、成田⇔ブリュッセル。
| シーズン | 搭乗期間 | 通常 | キャンペーン |
|---|---|---|---|
| レギュラー | 2026年11月1日〜12月16日/2027年3月1日〜3月31日 | 27,500 | 13,750 |
| ロー | 2027年1月11日〜2月28日 | 22,500 | 11,250 |
12月17日〜2027年1月10日は対象外。冬の欧州、しかも1月〜2月がいちばん安い設定です。
香港(羽田⇔香港)
| シーズン | 搭乗期間 | 通常 | キャンペーン |
|---|---|---|---|
| ハイ | 2026年8月19日〜8月23日/12月21日〜2027年1月4日/2027年2月4日〜2月6日 | 15,000 | 7,500 |
| レギュラー | 2026年8月24日〜12月20日/2027年2月7日〜3月12日 | 10,000 | 5,000 |
| ロー | 2027年1月5日〜2月3日 | 8,500 | 4,250 |
対象外は9月18日〜20日、12月25日〜28日、2027年1月1日〜3日、2月20日〜25日。
中国大陸
対象は羽田・成田・関西⇔上海、羽田・関西⇔北京、羽田⇔深圳、成田⇔大連、羽田⇔広州、羽田⇔青島、成田⇔杭州。
| シーズン | 搭乗期間 | 通常 | キャンペーン |
|---|---|---|---|
| ハイ | 2026年8月21日〜8月23日/12月21日〜2027年1月4日/2027年2月4日 | 15,000 | 7,500 |
| レギュラー | 2026年8月24日〜12月20日/2027年2月15日〜3月26日 | 10,000 | 5,000 |
| ロー | 2027年1月5日〜2月3日 | 8,500 | 4,250 |
対象外期間が香港より多いのが要注意。日本発は9月18日〜20日、10月5日〜12日、12月24日〜27日、2027年1月2日〜3日、2月5日〜21日。海外発はさらに広く、9月19日〜10月4日、12月24日〜27日、2027年1月2日〜3日、1月22日〜2月14日、3月19日〜26日が落ちます。春節まわりがごっそり抜けている形です。
ローシーズンの1月5日〜2月3日も、海外発は1月22日以降が対象外。往路だけ対象で復路が対象外、という組み方はできません。
東南アジア・インド
対象路線は羽田・成田⇔バンコク、成田⇔シンガポール、成田⇔クアラルンプール、成田⇔ムンバイ。
| シーズン | 搭乗期間 | 通常 | キャンペーン |
|---|---|---|---|
| ハイ | 2026年8月19日〜8月23日/12月21日〜2027年1月4日/2027年2月4日〜2月6日 | 25,000 | 12,500 |
| レギュラー | 2026年8月24日〜12月20日/2027年2月7日〜3月12日 | 17,500 | 8,750 |
| ロー | 2027年1月5日〜2月3日 | 15,000 | 7,500 |
対象外は9月18日〜20日、12月25日〜28日、2027年1月1日〜3日。
燃油サーチャージ:ここが本題
特典航空券は運賃をマイルで肩代わりする仕組みで、燃油サーチャージと税は別。ここは現金で払います。キャンペーンの利用条件にもはっきり書いてあります。
今の額はこれです。日本発の1旅客1区間片道あたり、購入地点は問いません。
| 路線 | 片道 | 往復 |
|---|---|---|
| 日本⇔欧州・北米(ハワイ除く)・中東・オセアニア | 65,000円 | 130,000円 |
| 日本⇔ハワイ・インド・インドネシア | 40,400円 | 80,800円 |
| 日本⇔タイ・シンガポール・マレーシア・ミャンマー・カンボジア | 33,500円 | 67,000円 |
| 日本⇔ベトナム・グアム・フィリピン・パラオ・モンゴル | 22,500円 | 45,000円 |
| 日本⇔東アジア(韓国を除く) | 15,400円 | 30,800円 |
| 日本⇔韓国・ロシア(ウラジオストク) | 7,400円 | 14,800円 |
この額は2026年7月1日〜8月31日購入分。中東情勢を受けた日本政府の緊急的な激変緩和措置で航空機燃料に補助が入っていて、その分だけ軽減された額です。
つまりキャンペーンの発券期間(7月23日〜29日)は、軽減が効いている期間にすっぽり入っています。9月以降の購入がどうなるかは補助の行方しだい。少なくとも今回の発券は、燃油に関しては条件のいい側です。
そしてもうひとつ、2026年7月1日出国分から国際観光旅客税が1,000円から3,000円に上がりました。特典航空券でもここは払います。往復1回の出国なので、1人あたり3,000円の上乗せです。
燃油の路線マッピングで1つ罠がある
キャンペーンの路線区分と、燃油の路線区分はズレています。いちばん引っかかりやすいのがムンバイ。
キャンペーン上は「東南アジア・インド」でひとくくりなので、バンコクもムンバイも必要マイルは同じです。ところが燃油はインドが40,400円、タイが33,500円。同じマイル数を払うのに、ムンバイだけ往復で13,800円多く現金が出ます。
同じ枠に入っているからといって、同じ支出にはなりません。
結局、いくら払うのか
減額後のマイル(各路線の最安期)に、燃油と諸税を足した現金の手出しを並べます。諸税・空港使用料は路線と空港で変わるので、往復でおよそ1万円台として概算しました。実額は予約画面で確認してください。
| 路線 | 往復マイル(最安期) | 燃油往復 | 現金の手出し概算 |
|---|---|---|---|
| 香港・中国大陸 | 8,500 | 30,800円 | 約41,000円 |
| バンコク・シンガポール・クアラルンプール | 15,000 | 67,000円 | 約77,000円 |
| ムンバイ | 15,000 | 80,800円 | 約91,000円 |
| ハワイ(1/13〜1/31) | 17,500 | 80,800円 | 約100,000円 |
| ハワイ(8/24〜12/18) | 20,000 | 80,800円 | 約100,000円 |
| 欧州(1/11〜2/28) | 22,500 | 130,000円 | 約145,000円 |
| 欧州(11/1〜12/16・3月) | 27,500 | 130,000円 | 約145,000円 |
この概算、実際の予約画面で答え合わせができました。成田⇔ホノルルの往復が100,040円(うち燃油80,800円)。片道なら54,130円です。次の章で内訳をそのまま載せます。
家族4人でパリに行くなら、マイルを9万マイル使ったうえで、現金が58万円出ていきます。「マイルがあるから無料で行ける」は、今の燃油だと成立しません。
有償と比べて本当に得なのか
ここからが計算の中身です。
特典航空券と現金を比べるとき、多くの人は「現金20万円が、マイル+燃油14万円になった。6万円得した」と考えます。でも、この引き算にはひとつ大事な性質があります。
燃油と税は、現金で買っても特典で取っても同額かかる。 つまり比較すると打ち消し合います。
現金の総額 = 素の運賃 + 燃油 + 諸税
特典の総額 = マイル + 燃油 + 諸税
差になるのは「素の運賃」だけ。燃油も諸税も抜いた、運賃そのものの部分です。だからマイル単価はこうなります。
1マイルの価値
= 運賃部分 ÷ 使用マイル数
理屈はこうなんですが、本当にそうなるのか。同じ便を特典と有償の両方で予約画面まで進めて、実額を突き合わせました。
同じ便を特典と有償で並べた(成田→ホノルル・1月16日)
条件をそろえます。NH184(成田20:20発→ホノルル08:10着)、2027年1月16日(土)、大人1名、片道、エコノミー。2026年7月21日15:43時点の予約画面です。
| 特典航空券 | 有償(Flex) | |
|---|---|---|
| 必要マイル | 17,500マイル | — |
| 運賃 | 0円 | 145,000円 |
| 税金・料金等 | 54,130円 | 54,130円 |
| 発券手数料 | 0円 | — |
| 支払い総額 | 17,500マイル+54,130円 | 199,130円 |
| 積算マイル | 0マイル | 2,681マイル |
税金・料金等が、両方とも54,130円。1円まで同じでした。理屈どおりです。
特典側の内訳はこうなっています。
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 燃油特別付加運賃 | 40,400円 |
| 国際観光旅客税 | 3,000円 |
| 旅客サービス施設使用料(成田) | 2,460円 |
| 旅客保安サービス料 | 700円 |
| TRANSPORTATION TAX(米国) | 3,810円 |
| 入国審査料 | 1,140円 |
| 税関審査料 | 1,210円 |
| 動植物検疫使用料 | 630円 |
| 航空保険特別料金等 | 780円 |
| 合計 | 54,130円 |
54,130円のうち40,400円が燃油。片道の税金・料金だけで、国内線の往復が買える額です。
この便のマイル単価
差は運賃の145,000円だけ。なので単価はこうなります。
145,000円 ÷ 17,500マイル = 1マイル約8.3円
キャンペーンが適用されれば、同じ145,000円を8,750マイルで消せます。
145,000円 ÷ 8,750マイル = 1マイル約16.6円
この画面を撮ったのは7月21日、キャンペーンが始まる前です。だからマイル内訳の「減算前/減算後」は0マイルのまま、17,500マイルが表示されています。開始後にどう変わったかは、このあと往復の画面で確かめます。
ただし、この8.3円は片道だから出た数字
ここで終わると読み間違えます。片道は特典に有利すぎる比較でした。
同じ日程を往復で取り直したのが次です。NH184(1月16日 成田→ホノルル)とNH183(1月22日 ホノルル→成田)、大人1名、エコノミー。
| 特典航空券 | 有償(Light×2) | |
|---|---|---|
| 必要マイル | 35,000マイル | — |
| 運賃 | 0円 | 62,800円 |
| 税金・料金等 | 100,030円 | 100,770円 |
| 支払い総額 | 35,000マイル+100,030円 | 163,570円 |
| 積算マイル | 0マイル | 2,298マイル |
ここで手が止まりました。有償の往復(163,570円)が、さっきの片道(199,130円)より安い。
ANAの国際線は片道運賃が極端に割高で、片道検索ではFlexとFull Flexしか出てきませんでした。往復ならLight・Value・Standard・Flex・Full Flexが全部並び、いちばん安いLightの往復が163,570円。片道を買うくらいなら往復を買って復路を捨てたほうが安い、という価格構造になっています。
いっぽう特典航空券の必要マイルは、片道17,500の単純な2倍で35,000。有償のような「往復割引」がありません。ここで差が一気に縮みます。
キャンペーン開始後、同じ旅程を取り直した
ここまでは7月21日、キャンペーンが始まる前の画面です。7月23日0時を過ぎてから、まったく同じ旅程で検索し直しました。
35,000マイルが17,500マイルになりました。 減額はきちんと効いています。
| 7/21(開始前) | 7/23(キャンペーン適用) | |
|---|---|---|
| 必要マイル | 35,000マイル | 17,500マイル |
| 税金・料金等 | 100,030円 | 100,040円 |
マイルは半分。いっぽう税金・料金等は10円上がりました。SEPTEMBER 11TH SECURITY FEE(米国の保安料)が910円から920円になったためです。ドル建ての料金なので、為替で日々動きます。
金額としては誤差ですが、覚えておくと役に立ちます。燃油や諸税は「調べた日の額」でしかない。1週間後に同じ旅程を取れば、また少し違う数字が出ます。
往復で計算し直したマイル単価
キャンペーン適用後の実額(17,500マイル+100,040円)と、有償Lightの163,570円で計算します。
163,570円 − 100,040円 = 63,530円
63,530円 ÷ 17,500マイル = 約3.6円
片道で出た16.6円が、往復だと3.6円。5分の1以下になりました。同じ便、同じ日程です。
減額なしの35,000マイルだと、こうなります。
63,530円 ÷ 35,000マイル = 約1.8円
有償なら2,298マイル積算される分も引くと、さらに下がります。
63,530円 ÷(17,500+2,298)= 約3.2円
※有償の163,570円は7月21日時点の額です。諸税が10円動いた例のとおり、日によって多少ぶれます。
どの運賃と比べるかで答えが変わる
Lightは予約変更も払い戻しもできず、預入手荷物1個、事前座席指定は一部有料。特典航空券(変更可・払い戻し可・座席指定無料)とは条件がそろっていません。
そこで、復路をLightに固定したまま往路の運賃を上げていくと、単価はこう動きます。
| 比較相手 (往復) | 有償総額 | 通常 35,000マイル | 半額 17,500マイル |
|---|---|---|---|
| Light+Light | 163,570円 | 1.8円 | 3.6円 |
| Value+Light | 177,170円 | 2.2円 | 4.4円 |
| Standard+Light | 187,170円 | 2.5円 | 5.0円 |
| Flex+Light | 214,670円 | 3.3円 | 6.6円 |
自分がどの運賃を買うはずだったかで、答えが倍近く変わります。変更の効く運賃を買う人ほど、特典の価値は上がる。最安のLightで妥協できる人ほど、マイルを使う意味は薄くなります。
ちなみに積算マイルも運賃で変わります。片道Flexが2,681マイルだったのに対し、往復Light×2は2,298マイル。距離は倍なのに積算は少ない。安い運賃は積算率も低く設定されています。
税金・料金等が740円ズレた話
片道では特典も有償も54,130円でぴったり一致しました。ところが往復は、特典100,030円に対して有償100,770円。740円だけ合いません(どちらも7月21日の画面)。
有償側は税金・料金等の内訳が並んで出ないので、原因は断定しません。ただ、100,030円に対する740円は0.7%。「燃油と諸税は両方にかかるので打ち消し合う」という判断の骨格は変わりません。
特典側の往復の内訳はこうです。キャンペーン開始後(7月23日)の画面の数字を載せます。
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 燃油特別付加運賃 | 80,800円 |
| TRANSPORTATION TAX(米国) | 7,620円 |
| 国際観光旅客税 | 3,000円 |
| 旅客サービス施設使用料(成田) | 2,460円 |
| 航空保険特別料金等 | 1,560円 |
| 税関審査料 | 1,210円 |
| 入国審査料 | 1,140円 |
| SEPTEMBER 11TH SECURITY FEE | 920円 |
| 旅客保安サービス料 | 700円 |
| 動植物検疫使用料 | 630円 |
| 合計 | 100,040円 |
燃油の80,800円は、公式の燃油表(ハワイ片道40,400円)のちょうど2倍。表のとおりでした。
日本の項目(国際観光旅客税・施設使用料・保安サービス料・検疫)は円建てなので動きません。動くのは米国側のドル建て料金です。7月21日はSEPTEMBER 11TH SECURITY FEEが910円で、合計は100,030円でした。
そしてこの10万円、前の章で「往復なら10万円前後」と概算した数字とほぼ同じです。概算の立て方は合っていました。
結局どこを見ればいいのか
自分が実際に払うはずだった額と比べること。 これに尽きます。
片道Flexに置くか、往復Lightに置くか、往復Flexに置くかで、同じキャンペーンの価値が3.6円から16.6円まで動きました。ネットで見かける「1マイル○円」は、比較相手を書いていなければ意味を持ちません。
燃油が重いと「マイルで消せる部分」が小さくなる
往復の内訳を割合で見ると、事情がはっきりします。
| 金額 | 割合 | |
|---|---|---|
| 運賃(マイルで消せる) | 62,800円 | 38% |
| 税金・料金等(消せない) | 100,770円 | 62% |
| 有償の総額 | 163,570円 | 100% |
ハワイ往復で、6割が燃油と税。マイルをいくら積んでも、この10万円は動きません。単価が伸びない正体はこれです。
欧州はもっと極端になります。燃油だけで往復130,000円。諸税を足すと14万円台。仮に有償の往復が20万円だとすると、運賃部分は6万円弱しか残りません。
欧州ロー・往復
6万円 ÷ 22,500マイル = 約2.6円
香港のような短距離は逆に、燃油の絶対額(往復30,800円)が小さいので運賃の割合が大きくなります。ただし運賃そのものが安いため、単価の分子も小さい。
つまり燃油の高い今は、路線ごとに「運賃部分がいくらか」を見ないと単価が読めない。距離や必要マイルだけでは判断できません。
損益分岐の早見表
往復で狙う人向けに、現金の総額がいくら以上なら単価2円・4円を超えるかを出しました。手出し概算に「単価×マイル数」を足しただけの表です。
| 路線 | 往復マイル | 現金総額がこれ以上なら1マイル2円 | 同 4円 |
|---|---|---|---|
| 香港・中国大陸 | 8,500 | 58,000円 | 75,000円 |
| バンコク・SIN・KUL | 15,000 | 107,000円 | 137,000円 |
| ムンバイ | 15,000 | 121,000円 | 151,000円 |
| ハワイ(17,500) | 17,500 | 135,000円 | 170,000円 |
| ハワイ(20,000) | 20,000 | 140,000円 | 180,000円 |
| 欧州(22,500) | 22,500 | 190,000円 | 235,000円 |
| 欧州(27,500) | 27,500 | 200,000円 | 255,000円 |
使い方は簡単で、行きたい日程の現金の総額を調べて、この表と見比べるだけ。左の数字を下回るなら、マイルを使わず現金で買ったほうがマイルは温存できます。
実際のハワイ往復(有償Light 163,570円)をこの表に当てると、17,500マイルの行で2円は超えるけれど4円には届かない位置。計算した3.6円と合います。ここが今回のリアルな相場感です。
対象期間が「現金の安い時期」に寄っている
もうひとつ、地味に効く話。
このキャンペーン、対象搭乗期間から年末年始が丸ごと抜けています。欧州は12月17日〜1月10日が除外、ハワイは12月19日〜1月12日が除外、東南アジアも12月25日〜28日と1月1日〜3日が除外。中国大陸は春節まわりも落ちています。
特典航空券がいちばん輝くのは、現金がとんでもなく高い繁忙期です。パリ往復が30万円を超える年末に使えば、素の運賃は16万円ほどになって単価は7円に届きます。ところがその時期が対象外。
残っているのは、現金でも比較的安く買える時期。だから単価が伸びにくい方向に寄っています。ここは冷静に見ておいたほうがいい部分です。
変更・キャンセルの条件はどう違うのか
ここまでは金額の話。でも安いLightと特典航空券は、そもそも同じ商品じゃありません。予定が変わったときの逃げ道がまるで違う。
有償の条件は予約画面の運賃表から、特典の条件はANA公式の「ANA国際線特典航空券 変更・払い戻し」とキャンペーンの利用条件から拾いました。
| 特典(キャンペーン適用) | 有償 Light | 有償 Flex | |
|---|---|---|---|
| 予約変更 | 7/29までは減額マイルのまま可 7/30以降は通常マイルとの差額 | 不可 | 可(手数料なし) |
| 払い戻し | 可 1名3,000マイル or 3,000円 | 不可 | 可(手数料あり) |
| 預入手荷物 | — | 1個 | 2個 |
| 事前座席指定 | — | 可(一部有料) | 可(無料) |
払い戻しでは特典が圧勝する
Lightは払い戻し不可。行けなくなったら163,570円がまるごと消えます。家族4人なら654,280円。
特典航空券は、全区間未使用なら1名3,000マイルまたは3,000円で払い戻せます。しかも税金・料金等(この例で100,040円)も戻ってくる。家族4人でも手数料は12,000円です。
子どもの熱で旅行が飛ぶ、みたいな事故を何度も経験してきた身としては、ここは金額差以上に効きます。「3.6円だから微妙」と切り捨てる前に、Lightが持っていないこの逃げ道を勘定に入れたほうがいい。
変更は7月29日が崖になっている
いっぽう変更については、キャンペーンの特典航空券にきつい制限がかかります。減額マイルのまま変更できるのは、次の3つを全部満たすときだけ。
- キャンペーン期間中(7月23日〜29日)に変更手続きをする
- 対象搭乗期間内の日程かつ対象便への変更
- 変更希望便に空席がある
7月30日以降の変更は、通常必要マイル数との差額を払うことになります。ハワイ往復なら17,500マイルの追加。せっかく半額で取ったのに、変更した瞬間に元の35,000マイルへ戻る計算です。
「特典航空券は変更が柔軟」という一般論は、今回のキャンペーン券には当てはまりません。日程を固めてから取る。ここは強く言っておきたいところです。
特典は区間を変えられない
もうひとつ、通常の特典航空券から引き継ぐ制限があります。
- 変更できるのは搭乗日と、同じ区間の便だけ
- 航空会社・搭乗者・区間・経由地・クラスの変更は不可(同じZONE内でも不可)
- 往復から片道への変更、その逆も不可
- 発券後は「予約済み便の出発前」かつ「搭乗希望便の出発24時間前」まで
- シーズンをまたいで必要マイルが増える変更は、差額マイルの支払いが必要
- 変更時に燃油や税金の差額を求められる場合がある
ホノルルをコナに変えたい、みたいな融通は利きません。行き先ごと変える可能性があるなら、有償のほうが動きやすい場面もあります。
なお悪天候や欠航など、ANA側の理由による変更・払い戻しなら取消手数料はかかりません。必要マイルが増える方向の振り替えでも差額を取られない扱いです。
条件まで込みで見ると
金額だけなら往復Light相手に3.6円で「微妙」でした。でも条件を並べると景色が変わります。
- Lightと比べるなら、単価は低いが払い戻しできる権利が付いてくる。予定が動く可能性があるなら特典が有利
- Flexと比べるなら、単価6.6円のうえ、変更のしやすさは7/29を境にFlexが上回る。金額は特典、柔軟さはFlex
- どちらにせよ、キャンペーン券は日程確定が前提の商品
私の結論
半額は素直に強い。ただ実額を並べたら、判断を分けるのは路線より比較相手でした。
- 片道しか選択肢がない人(帰りは別会社、現地発の都合など)。ここは迷わず特典。片道の有償が199,130円もするので、17,500マイル+54,130円は圧倒的に得
- 往復でいちばん安い運賃(Light)を買うつもりだった人。単価3.6円。悪くはないけれど、マイルを温存して現金で買う判断も十分あり得ます。Lightは変更も払い戻しもできないので、そこを嫌うなら特典の柔軟さに価値が出ます
- 往復でFlexなど変更の効く運賃を買うつもりだった人。単価6.6円。ここは特典が強い
- 他社便やLCC、経由便も候補の人。比較相手がもっと安いので、マイルは使わず取っておくほうがいい
往復で3.6円という数字は、私の感覚だと「使ってもいいが、急ぐ理由にはならない」ライン。ハワイのために貯めてきた人なら迷わず行けばいいし、使い道を決めていないなら次を待つ選択もあります。
家族での使い方でいうと、私は欧州には手を出しません。4人で58万円の現金が動くうえに、マイルも9万マイル消えます。同じ9万マイルを香港や中国方面に回したほうが、家族の旅行回数は増える。手出しが4万円台で済むのは、子連れには効きます。
逆に、マイルが余っていて有効期限が近い人には、減額は素直にありがたい話です。同じ旅程が半分のマイルで取れるのは事実なので。
マイルの有効期限が気になる人はこちらもどうぞ(→ ANAマイルの有効期限と失効を防ぐ方法)。
予約でつまずくポイント
「特典種別選択」で選び忘れない
フライト検索の結果画面に「特典種別選択」があります。実際の画面がこれです。
左が17,500マイル〜、右が35,000マイル〜。この画面で左を選ばないと、対象路線・対象搭乗日でも減額は乗りません。通常マイルのまま予約が通ってしまいます。選び忘れの代償は、そのまま倍のマイルです。
トクたびマイルでもまったく同じ事故が起きていて、選び忘れて通常マイルで発券してしまう人が毎回います(→ ANAトクたびマイル|新ルールと予約のコツ)。画面に出たマイル数が半分になっているか、発券ボタンを押す前に必ず確認してください。
この画面には、条件も並んで表示されます。読んでおく価値があるのは3行。
- 特記事項: 「変更可。キャンペーン対象期間外の変更は通常マイルとの差額を徴収いたします」。前の章で書いた7月29日の崖が、予約画面にもはっきり出ています
- スターアライアンス便・提携航空会社便: どちらも「利用不可」。ANA運航便だけです
- 空席待ち可否: 「可」。ただし席が用意されたのが期間外なら通常マイルになります(次項)
旅程のルール
- 全旅程が対象の搭乗期間・路線・便・クラスに収まっている場合だけ対象
- 出発空港と到着空港の両方が対象路線であること
- 日本国内線の乗り継ぎが入る旅程はOK
- 海外発着で日本を経由する旅程(片道で国際線2区間以上、往復で3区間以上)は不可
- 他社便が入る提携航空会社特典航空券は、対象路線のANA便が含まれていても対象外
空席待ちは減額の対象外
期間中に空席待ちを入れても、席が用意されたのが期間外なら通常マイルでの発券になります。電話での空席待ちも同じ扱い。待つ選択肢は実質ないと考えたほうが安全です。
変更・払い戻しの条件は前の章にまとめました(→変更・キャンセルの条件はどう違うのか)。払い戻し時点で期限切れのマイルは戻らない点だけ、ここでも念を押しておきます。手順の詳細はこちら(→ ANA特典航空券の取り消しと払い戻し)。
家族で使うときに知っておくこと
子連れ目線で、条件を3つ。
小児(2歳以上12歳未満)は大人と同じ減額マイルで乗れます。座席を使う幼児(2歳未満)も同じ扱い。
座席を使わない幼児は、大人の減額マイルの10%。パリなら1,125マイルです。ここはかなり軽い。
家族のマイルを合算するなら、ANAカードファミリーマイルかAFAの登録が先。未登録だと自分のマイルだけで戦うことになります。登録には時間がかかるので、7月23日を待ってから慌てても間に合わないことがあります(→ ANAカードファミリーマイルでマイルを合算する)。
家族分をまとめて発券するには特典利用者登録も必要です(→ ANA特典利用者登録のやり方)。
最後に
要点をもう一度。
- 予約・発券は7月23日0時から7月29日23時59分まで。発券完了まで期間内
- 減額後は香港・中国4,250〜、東南アジア7,500〜、ハワイ8,750〜、欧州11,250〜(いずれも片道)
- 燃油と税は別で現金払い。欧州は往復13万円、ハワイは8.08万円。出国税も7月から3,000円に
- 成田→ホノルル片道で実測したら、税金・料金等は特典も有償も54,130円で一致。往復は100,030円と100,770円で740円だけズレた
- 単価は現金の差額 ÷ 必要マイル数。片道なら16.6円、往復だと3.6円。5分の1以下に落ちる
- 理由はANAの片道運賃が割高だから。有償の往復163,570円 < 片道199,130円という逆転が起きている。特典のマイルは片道の単純2倍で、往復割引がない
- 比べる運賃で答えが変わる。往復Light相手なら3.6円、Flex相手なら6.6円
- 条件差も勘定に入れる。Lightは払い戻し不可、特典は1名3,000円で全額戻る。ここは特典が強い
- ただし変更は7月29日まで。以降は通常マイルとの差額なので、日程を固めてから取る
- 対象期間から年末年始が抜けている分、マイルの価値は出にくい側に寄っている
- 予約画面の「特典種別選択」で「ANA特典キャンペーン」を選び忘れない
私は今回、香港か上海あたりを1月に取れないか探すつもりです。4,250マイルで手出し4万円なら、家族4人でも17,000マイル。マイルの減りが軽いので、次の旅行の弾も残ります。
ハワイの8,750マイルは、片道だけ見ると強烈に見えます。ただ往復で組むと35,000マイルが17,500マイルになるだけで、手出しは100,040円のまま。ここを知らずに飛びつくと、思ったより現金が出ていって驚くことになります。
パリの11,250マイルも同じ構図。往復なら22,500マイルと、現金14万円台です。財布から出ていく額を見てから決めても遅くない。1週間あります。
マイルをこれから貯める段階なら、土台の話から(→ マイルの貯め方の基本|飛行機とクレカ)。
あわせて読みたい
出典: ANA公式「ANA国際線特典航空券 減額マイルキャンペーン」対象路線・必要マイル数・利用条件(2026年7月21日確認)、ANA公式の燃油特別付加運賃(2026年7月1日〜8月31日購入分)、国際観光旅客税の改定(2026年7月1日出国分〜3,000円)、ANA公式「ANA国際線特典航空券 変更・払い戻し」(2026年7月21日確認)、およびANA予約画面の実額(NH184・NH183 成田⇔ホノルル 2027年1月16日〜22日・大人1名・エコノミー/2026年7月21日時点: 片道 特典17,500マイル+54,130円・有償Flex 199,130円、往復 特典35,000マイル+100,030円・有償Light 163,570円/キャンペーン開始後の2026年7月23日時点: 往復 特典17,500マイル+100,040円)
※マイル数・年会費・移行レート等の制度・条件は改定される場合があります。ご利用前に必ず各公式サイトで最新情報をご確認ください。